紅梅

梅

 近所の公園に散歩に行く。弓道場があり、じいさんたちの射を見る。帰り道、公園の中をうろうろしていると、小さな梅の木が密集しており、見事に花を咲かせていた。側に記念碑があって、80年前に植えたと彫られている。枝は160cmあたりのところにあり、木の成長速度のゆるやかさを思い知らされた。梅の木は公園の中で周囲を針葉樹で囲まれたこんもりとした丘に植えられており、一見、外からは見えない。それがなんとなく桃源郷のような雰囲気をかもしだしていて、よかった。花の香りも、どこへも逃げることなく、その丘にとどまっていて嗅覚の鈍い私でも「におい立つ」と感じたほどだった。