阿修羅ガール読み中

 でも多分きっと、人がひとを好きになるときには、相手のこことかそことかこういうところとかああいうところとかそんな感じとかそういうふうなとことかが好きになるんじゃなくて、相手の中の真ん中の芯の、何かその人の持ってる核みたいなところを無条件で好きになるんだろうと思う。私もだから、陽治のその核のことが、胸の裏に貼り付いて離れない。――阿修羅ガール 舞城王太郎